平屋住宅と土地探し

注文住宅というかたちでマイホームを新築しようとする場合に、まずは平屋住宅にするか、2階建て以上の住宅にするかという選択肢があります。この場合、土地の面積や形状によっては、かならずしも希望するほうを採用できるとは限りませんので、マイホームの新築の前段としての土地探しのほうも重要となってきます。
注文住宅の場合には、通常はどこか適当な土地を最初に購入しておいて、そこに新築をするというのが一般的ですが、土地選びで失敗をしてしまっては、希望にそって間取りや構造、外観などを自由にレイアウトできるという注文住宅の強みが生かせないことになってしまいますので、相当の注意を払うべきといえます。
平屋住宅の場合には、すべてがワンフロアのなかで完結し、2階建て住宅のような垂直の移動というのはありませんので、生活のなかでの移動がたいへん楽であり、広々とした使い方ができるというところが最大の魅力であるといえます。これは特に働き盛りの世代よりも、身体のおとろえから移動をできるだけ少なくすませたい老後を迎えた世代のほうが、よりはっきりと感じられるメリットです。
しかし、こうした平屋住宅を新築するためには、物理的にもそうですし、特に建築基準法や都市計画法といった法律の絡みによって、容積率や建ぺい率などを十分に確保しなければならないという事情から、ある程度の面積があることが求められます。都心部にあるような狭小な土地では、いくらコンビニやスーパー、学校などが近くにあって便利だからといって、平屋住宅を新築することはまず困難と考えたほうがよいでしょう。そのため、郊外で比較的地価が安価で、面積を確保できるところが適当ということになりますが、土地の形状についても、出来上がりの注文住宅をあらかじめイメージして、あまり不整形なものは選ばないということもたいせつです。
平屋住宅の場合には、2階建て住宅とは違って、部屋の位置によっては日当たりに差ができることがありますし、外を歩いている人と目線の高さが一緒であるため、絶えず他人の目線が気になってしまうというデメリットもあります。こうしたデメリットを解消するためには、リビングや子供部屋は日当たりのよい南向きになるようにするとか、庭を設けて部屋と外部との距離を保つといった、レイアウト上の工夫が必要となりますが、こうした工夫というのは、適当な形状の土地があってはじめて成り立つものであるといえるのです。